解体工事業者の選び方
人生に1度あるかないかの解体工事。その額も決して小さいものではないですから、その業者選びには不安が付きまとうものです。ここでは、千葉の業者紹介サービス「ちいき新聞の解体」が、解体業者を選ぶ際のポイントや、悪徳業者の特徴についてご紹介します。
まとめると…
- 解体業者を選ぶ際は、解体業の許可、自社工事、明確な見積書/契約書、業者の質/雰囲気、工事の実績、損害賠償保険への加入などがポイントになる。
- 無許可工事、不法投棄など、違法な工事を行う業者もある。他にも、見積もりが安すぎる業者や近隣トラブルを起こしかねない業者などに気を付けよう。
- 解体業者は規模によって特徴が異なる。例えば、大きな業者であれば、安定感はあるが費用は高くなりがちである。
解体業者を選ぶ際のポイント
解体業の許可があるか
解体工事を行うには、国や自治体の「建設業許可」か「解体工事業登録」が必要です。その許認可を得ていないか、取り消されている場合には、もちろん工事は行ってはいけませんが、違法な工事を行っている業者が存在します。そのような業者には絶対工事をお願いしてはいけません。契約前に業者に対し、必ず許認可を確認しましょう。
* 「ちいき新聞の解体」の加盟業者には、許認可のない業者は含まれておりません。
自社施工か下請けか
解体工事の請負業者の中には、請け負った解体工事を他社にお願いすることがあります。場合によっては、全く工事を行わず営業のみを行うブローカー業者もあれば、さらに他の業者に工事を依頼する(孫請けに出す)下請け業者もあります。この場合、中間マージンがかかっており、直接工事を行う自社施工時に比べて費用が高くなりがちです。依頼先が自社施工か下請けに出すか、またその程度がどれほどかを、業者選びの一つのポイントにすると良いでしょう。
* 「ちいき新聞の解体」では多くの場合で加盟業者が直接工事しています。
見積書・契約書が明確か
複数業者の見積もり書や契約書を比較すると、その違いに気づくはずです。見積書の項目が「一式」となっていて中身が見えないものが多かったり(中にはどうしても「一式」としか記せない項目もありえます)、場合によっては見積額や契約額を口頭で伝えて書面として提出しなかったりする業者も存在します。値段だけで決めずに、できるだけ明確に書面で提示してくれる業者、質問したときに明確に答えてくれる業者、説明が明確な業者にお願いするようにしましょう。
業者の質・雰囲気が良いか
解体業者が対応する際の質や雰囲気も業者選びのポイントです。担当者と連絡がつきやすいかどうか、身なりがだらしなくないかなど、印象や雰囲気も選ぶ際の参考にしましょう。また、会社の所在地が明確かどうか、支払い条件が劣悪でないかなども気にすると良いでしょう。支払いについては、「半額を前払い、残りを工事後」というような業者が多いですが、全額の前払いを求めてきた場合はその時点でお断りするのが賢明です。
工事の実績が豊富か
過去の実績も業者選びの大事なポイントです。実績については、実働期間や施工件数などをホームページで確認したり、業者に直接聞いたりして確認するのが良いでしょう。下請けに出さずに自社で施工しているか、事故・苦情・トラブルが発生していないかも確認できると更に良いでしょう。
損害賠償保険に加入しているか
解体工事は危険な現場であり、重機が隣家にあたって破損してしまう、落下物等で通行人に被害が及ぶ、足場や重機が倒壊・転倒するといったリスクを孕んでいます。もしものことがあった場合のためにキチンと保険を準備しているかも重要なポイントです。事前に確認するようにしましょう。
* 「ちいき新聞の解体」では各業者に、加盟の際、損害賠償保険加入を確認しています。
悪徳業者の特徴
違法な業者
根本的に許されないのは、法律や条例に違反する業者です。解体工事の許可がないのに工事する、違法に就労させている、必要な事前申請をしない、決められた分別をしない、適切な処理を行わない、不法投棄するといったことです。解体工事の許可を見せてもらう、適切な処理を行うことを示してもらうといったことが大切です。その際にぎこちない反応をしたり、「上手にやって安くする」というような発言をしたりする業者には気を付けた方が良いでしょう。
安すぎる業者
他と比べて安すぎる見積もりを出す業者は気を付けた方が良いでしょう。解体工事の場合、適切な工事・分別・処理・処分を行わないことで、コストを下げることができます。値段だけで業者を選ぶのは止めておきましょう。
追加費用を求める業者
安い見積もりを出して、後から追加費用を請求していくのは悪徳業者の常套手段です。不安な時は、見積もりの時点で、これ以上の費用がかからないか、かかるとしたらどういったケースか、その場合、どれくらいかかるのかといったことを質問して明確にして、書面にも残しておきましょう。不安なまま進めず、一度立ち止まって、信頼できる業者を選べるようにしたいものです。
近隣トラブルを起こす業者
騒音や振動は解体工事ではつきものであり、これを全く避けることはできません。重要なのは近隣にキチンと挨拶をすることです。その挨拶や配慮に欠けているとトラブルにつながりやすくなります。他にも作業員のマナーや素振りが近隣の方々を不快にすることもあります。タバコの吸い殻をすてたり、大声で話したり、無断で駐車したりといったことです。契約前に全てを把握することは難しいですが、そのような行為はやめてほしいことを伝えることも大事です。担当者の言葉遣いや服装、礼儀などは、社風を把握するヒントにもなるでしょう。
工事を遅延する業者
よく業者とトラブルになるケースとして、工事遅延があります。解体工事には、引き渡し日が決まっている場合など、工事のタイミングをずらせないケースが多くあります。雨や台風など自然によって、工期がどうしても伸びてしまうことはあるので、余裕を持って進めたいですが、時間にルーズな業者や、複数現場を同時に進行させることができない業者などには気を付けた方が良いでしょう。完工納期がある場合は事前に伝え、書面で約束してもらいましょう。
解体業者の種類
皆さまの参考になるように、どのような解体業者があるか、簡単にまとめておきます。明確に種類分けがあるわけではないのですが、分かりやすいように種類分けしてみます。
大きな解体業者の特徴
従業員を20人以上抱える大きな解体業者は、丁寧な対応、法令遵守、高い技術力などの特徴を持つことが多いです。一方で、人件費が嵩んで割高になったり、(ビルや商業施設などの大きな建物の解体を行うことが多くて)一般住宅の解体は下請けに丸投げしていたりすることも多くあります。
中規模の解体業者の特徴
従業員が10〜20人の中規模の解体業者は、社員数が比較的多いので費用がやや高めになることもありますが、マナーや対応、技術力について一定の安定感はあります。自社施工を中心に行うことで費用を抑えようとする業者もあれば、ハウスメーカーや不動産屋の下請け工事を中心に行う業者もあります。
小さな解体業者の特徴
従業員が数名の小さな解体業者は、個人事業主だったり、家族経営だったりすることが多く、人数が少なくて人件費を抑えられる分、工事費用も抑えやすいと言えます。ただ、重機などを保有していないことも多く、外注やリースしていることもあるため、必ずしも安いとは言えず、技術力や法令遵守なども含めて様々な業者がピンキリで存在します。もっぱらハウスメーカーや不動産屋、大きな解体業者の下請け・孫請けとして動いている業者も多くあります。この規模の解体業者は同時に2つの現場を進行できないこともあります。同時進行できないことで、1つの現場で工事が遅れると、次に予定している現場の工事も遅れてしまいます。
ブローカーの特徴
ブローカーと言われる解体業者も存在します。ブローカーは、解体工事の契約を依頼者と結ぶものの、解体工事を行うことはほぼ皆無で、全て下請けに丸投げします。ブローカー自体が悪い業者というわけではありませんが、下請けに出す分、費用が高くなりがちです。また、下請け先の情報を依頼者が把握しにくいことも多くの場合でデメリットになるでしょう。
最後に:「この会社なら大丈夫」と思えるまで吟味しよう!
良い業者かどうか「全て」見抜くことは至難の業かもしれません。ただし、私たちは上記のことを知っておくことが、一つの助けになると思っています。また、焦ってすぐに決めずに、複数社を比較して吟味することで、良い業者か判断がしやすくなるでしょう。最終的には「この会社になら任せられる」と感じて依頼するできれば、失敗・後悔をする可能性はとても小さいものになるはずです。