解体工事を取り巻く4つの法律
解体工事は危険を伴う大きな工事です。安全な工事が行われるためにも、消費者保護のためにも、大量に発生する廃材の分別/処理が適正に行われるためにも、たくさんのルールが設けられています。ここでは、千葉の優良業者紹介サービス「ちいき新聞の解体」が、重要と思われる解体工事を取り巻く4種類の法律についてご紹介します。
まとめると…
- 公的な許可や登録がなければ解体業者は解体工事を行えないことが、建設業法と建設リサイクル法によって定められている。
- 解体工事で発生する廃材について、建設リサイクル法によって分別とリサイクルが、廃棄物処理法によって適切な処理と処分が、それぞれ義務づけている。
- アスベストを含む建物の解体は、健康に被害を及ぼす可能性があるため、事前調査や計画書の届出等が、石綿障害予防規則・労働安全衛生法・大気汚染防止法によって定められている。
建設業法
建設業法は、500万円以上の解体工事を行うには公的な許可が必要であることを定めています。具体的には、国土交通大臣もしくは都道府県知事より、「解体工事業」の建設業許可を得なければいけません。許可を得るには、経営経験や実務経験、資格や学歴といった条件を満たす必要があります。一般の住宅解体で500万円以上の費用がかかることはまずはありません。500万円未満の工事はこの建設業許可がなくても構いませんが、後述する「解体工事業登録」は必要になります。つまり、公的な許可や登録なしに解体工事を行うことは現在できなくなっています。
建設リサイクル法
500万円未満の解体工事には解体工事業登録が必要
500万円未満の解体工事を行うには公的な事前登録(もしくは建設業許可)が必要であることを定めています。具体的には都道府県知事への「解体工事業登録」です。行政処分中や暴力団員でないことの他、実務経験、学歴、試験、講習といった条件を満たす必要があります。この解体工事業登録制度の創設によって公的な許可もしくは登録のない解体工事は行えなくなりました。
廃材の分別/リサイクルを義務付け
建設リサイクル法は、解体時に発生する廃材の分別・リサイクルも義務づけています。正式名称は「建設工事に係る資材の再資源化等に関する法律」で2000年に制定され、2002年に完全施行されました。床面積80㎡を超える解体工事では(ほとんどの一般住宅の解体工事が該当します)、木材、コンクリート塊などの特定資材ついて、その分別とリサイクルが義務づけられています。分別せずにごちゃ混ぜに解体(「ミンチ解体」と呼ばれます)した方が工事業者のコストは少なくて済みますが、現在は法律違反になります。
工事ごとに都道府県知事への事前届出が必要
それぞれの工事について、解体工事の7日前までに、工事内容などを記載した書類を都道府県知事に事前届出することも定めています。延べ床80㎡以上の建物が対象で(ほとんどの一般住宅が該当)、届出なしに黙って解体工事をすることを禁止しています。
廃棄物処理法
廃棄物処理法は、解体で発生する廃材の適正な処理/処分を義務づけています。正式名称は「廃棄物の処理及び清掃に関する法律」で、1970年に制定された後、時代に合わせて改訂が重ねられてきました。1997年からは、廃材が誰によってどのように収集・運搬・処理・処分されたかを管理するマニフェスト制度の運用が、全ての解体工事で義務づけられるようになりました。不法投棄などの違法な行為に対しては厳しい罰則が設けられています。なお、廃棄物処理法は、収集・運搬・処理・処分を行うには、公的な許可が必要なことも定めています。
アスベスト関連法規
健康被害への影響から2006年に全面禁止されたアスベスト(石綿)ですが、以前の建設物には盛んに使われていたため、アスベストを含む建物がまだ存在しています。アスベストを含む建物の解体工事は、作業者や周囲に影響を及ぼすため、現場ごとにアスベストの飛び散りやすさによってレベル分けがされます。とても飛び散りやすい場合には、工事計画や作業届出を、労働基準監督署長や都道府県知事に事前に提出することが、石綿障害予防規則・労働安全衛生法・大気汚染防止法によって定められています。一般住宅であれば、アスベストがとても飛び散りやすいというケースは稀ですが、少しでも含まれていれば作業員や近所の方々に被害を与えかねませんので、含まれている可能性があれば事前に解体業者に伝えるようにしましょう。
最後に:私たちは法律が順守されているかを見張っています
解体工事に関する法律は他にもあります。自治体ごとに定められる条例などをも含めると全てのルールを説明することは難しいですが、ここまで読んでいただいた皆さまにはその大枠は理解していただけたのではないでしょうか。業者は許可がなければ工事を行えないこと、適切な廃材の分別や処分が必要なことなどです。私たち「ちいき新聞の解体」は、優良業者紹介サービスとして、皆さまに紹介させていただく加盟業者がこれらの法律を順守しているかを日々、見張っています。ぜひ安心してご利用ください。